仮想通貨で完全に出遅れ!?このままじゃマジやばい日本の経済成長

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仮想通貨で完全に出遅れ!?このままじゃマジやばい日本の経済成長

仮想通貨といえば、近年注目度が急上昇している投資対象ですよね。
欧米諸国ではすでに多くの投資家が参入し、市場規模も拡大しています。
しかし、日本における仮想通貨の普及状況はどうでしょうか?
実は、日本は経済大国と称されているにもかかわらず、仮想通貨大国とは言い難い状況にあります。

今回は、最高値を更新し続ける「仮想通貨」にフォーカスし、日本が遅れている理由と最新事情、そして今後について詳しく解説していきます。
投資家として、仮想通貨市場を理解することは非常に重要です。
この記事を通して、日本の仮想通貨市場の現状と将来性について理解を深め、投資戦略のヒントを掴んでいきましょう!

日本の仮想通貨市場はどうなっている?

規制の厳しさや金融機関の消極的な姿勢など、様々な課題を抱えている日本の仮想通貨市場ですが、近年は徐々に改善の兆しが見え始めています。

取引所数は増加傾向

近年、日本の仮想通貨取引所数は増加傾向にあります。
これは、仮想通貨への関心が高まっていることを示しています。
2024年5月現在、日本の仮想通貨取引所数は29社に達しています。

参考:暗号資産交換業者登録一覧

投資家数は徐々に増加

仮想通貨への投資家数も徐々に増加しています。
2023年の調査によると、日本の仮想通貨投資家数は約500万人に達したと推定されています。
とはいえ、世界と比較した場合まだまだその数は少なく、アメリカでは約4,400万人、インドでは約1億人が仮想通貨を保有しているとされています。

参考:日本経済新聞|仮想通貨は生き残れるか 誕生15年、見えてきた優勝劣敗

法整備の動きが活発化

政府は、仮想通貨市場の健全な発展に向けて、法整備の動きを活発化させています。
2022年には、改正資金決済法が施行され、仮想通貨交換業者が正式に登録制となりました。

また、2023年には、マイナンバーカードを使った本人確認が義務化されました。
これらの法整備は、仮想通貨市場の透明性を高め、投資家保護を強化する効果が期待されています。

参考:https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20221226_3/20221226_3.html

機関投資家の参入拡大

近年、機関投資家による仮想通貨への投資が拡大しています。
これは、仮想通貨に対する認知度が高まり、投資対象として魅力的であると評価されていることを示しています。
機関投資家の参入は、仮想通貨市場の流動性を高め、価格安定に寄与することが期待されています。

参考:https://coinpost.jp/?p=262941

NFT市場の成長

引用:CHRISTIE’S

NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーン技術を用いて発行されるユニークなデジタル資産です。
近年、NFT市場は急速に成長しており、アート作品やゲームアイテムなどのデジタル資産が高額で取引されています。
NFT市場の成長は、仮想通貨市場全体の活性化にもつながることが期待されています。

仮想通貨の基本とグローバルな動向

仮想通貨は、中央銀行や単一の管理者に依存せずに存在するデジタル通貨であり、ブロックチェーン技術を基盤としています。
この技術は、取引の透明性を保ちつつセキュリティを確保することを可能にし、全世界の金融市場で大きな注目を集めています。
特に、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、その価値が急騰し、多くの投資家や技術愛好家から注目を浴びています。

グローバルな採用事例

アメリカ

アメリカでは特に、カリフォルニア州シリコンバレーを中心に、テクノロジー企業がビットコインをはじめとする仮想通貨の受け入れを推進しています。アメリカ内でのビットコインATMの数は2021年時点で約17,000台に達し、これは世界全体の約65%を占めています。

また、2020年にはオフィスオブ・コントローラー・オブ・ザ・カレンシー(OCC)が、全国銀行が仮想通貨のカストディアンサービスを提供できることを公式に許可しました。

※カストディアンサービスとは、仮想通貨を保護預かりする保護機関のことをいいます。
参考:https://www.occ.gov/

ヨーロッパ

EUでは、2018年に仮想通貨取引を規制するために第5次反マネーロンダリング指令(AMLD5)を導入しました。
これにより、仮想通貨サービスプロバイダは顧客の身元を確認し、不審な取引を報告する義務が課せられます。

また、2020年にはデジタルファイナンスパッケージを発表しました。
これは、仮想通貨市場での新しい技術の導入を支援しつつ、消費者の安全を守るための新しい規則を設ける提案です。

参考:https://finance.ec.europa.eu/publications/digital-finance-package_en

韓国

韓国は特に若年層の間で仮想通貨の採用が高く、政府は仮想通貨取引所に対する厳しい規制を導入しています。
2021年からは、すべての仮想通貨取引所が韓国金融情報分析院(KoFIU)の認可を受け、適切な顧客身元確認(KYC)と反マネーロンダリング(AML)プロセスを実施する必要があります。

韓国政府は市場の透明性を高めるとともに、消費者保護を目的としています。
これが市場の一部で遅れをもたらします。

※顧客身元確認(KYC)とは、金融機関が顧客の身元を確認し、記録を保持するプロセスです。
※反マネーロンダリング(AML)とは、不正な資金の流れを防ぐための規制や手続きのことです。

日本との比較

日本では、2017年の大規模なハッキング事件が発生後、金融庁は仮想通貨交換業者に対する規制を強化しました。
これにより、新たなライセンス制度が導入され、安全対策や資本要件が厳格化されました。
しかし、この規制の強化が市場の成長を鈍化させ、新規参入者の障壁を高める結果となっています。

なぜ日本は遅れているのか?その理由とは?

欧米諸国と比べて、日本における仮想通貨の普及状況は遅れていると言えます。
その理由は主に以下の3つが挙げられます。

  1. 規制の厳しさ
  2. 金融機関の消極的な姿勢
  3. 国民の理解不足

それぞれの理由を詳しく解説していきます。

規制の厳しさ

日本政府は、仮想通貨を「暗号資産」と位置づけ、金融庁が監督しています。
金融庁は、マネーロンダリングやテロ資金供与などのリスクを懸念し、厳しい規制を設けています。

具体的には、仮想通貨取引所の登録要件を厳しくしたり、顧客確認(KYC)やアンチ・マネーロンダリング(AML)対策を義務付けたりしています。
こうした規制は、仮想通貨事業への参入を阻害し、投資家にとっても利用しにくい環境を作っています。

参考:日本暗号資産取引業協会

金融機関の消極的な姿勢

日本の金融機関は、仮想通貨に対して消極的な姿勢を取っています。
その理由は、仮想通貨の価格変動の大きさに加え、マネーロンダリングやテロ資金供与などのリスクを懸念しているからです。

具体的には、仮想通貨取引所との口座開設を拒否したり、仮想通貨関連の投資商品を取り扱わないなどの対応を取っています。
金融機関が仮想通貨に積極的に参入しないことで、投資家にとっても仮想通貨への投資が難しくなっています。

参考:日本経済新聞|仮想通貨交換業「強制退場」の新ルール、金融庁

国民の理解不足

日本国民の多くは、仮想通貨について十分な理解を持っていないという課題があります。
仮想通貨は新しい技術であり、その仕組みやリスクが複雑であるため、理解するのが難しいという側面があります。

また、仮想通貨に関する報道がネガティブな内容が多いことも、国民の理解を妨げる要因となっています。
国民の理解不足は、仮想通貨への投資意欲を低下させ、普及を阻害する大きな要因となっています。

参考:マイボイスコム株式会社|【仮想通貨】に関するアンケート結果

仮想通貨市場の遅れがもたらす影響とチャンス

日本の仮想通貨市場の遅れは、多岐にわたる影響を及ぼしていますが、同時に新たな機会をもたらす可能性も秘めています。
ここでは、その具体的な影響と潜在的なチャンスに焦点を当てます。

遅れがもたらす経済的な影響

投資機会の逸失

日本の規制の厳しさは、国内外の投資家が市場に参入する障壁となっています。
これにより、新興のブロックチェーン企業や仮想通貨スタートアップの成長機会が制限され、経済全体のイノベーションと競争力が低下しています。
例えば、ベンチャーキャピタルへの影響を示す具体的なデータとして、日本の仮想通貨およびブロックチェーン関連のスタートアップへのVC投資は2021年に全体の2%未満です。

これはアメリカの15%やシンガポールの10%と比較して著しく低いです。
これが示すのは、規制の厳しさが国内外の投資家を遠ざけ、結果としてイノベーションと経済成長の機会を失っていることです。

参考:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai8/siryou1.pdf

雇用機会の制限

仮想通貨産業の発展が制限されることにより、新たな雇用機会の創出も阻害されています。
ブロックチェーン技術者やデジタル金融の専門家など、新しい分野での職が生まれる可能性が低下しています。
具体的にアメリカでは、2021年のブロックチェーン(blockchain)関連の求人件数は、LinkedInによると前年から395%増加し、仮想通貨関連がハイテク産業など他の技術産業と比べて圧倒的な伸びを示しました。

一方で、日本では、2021年7月16日時点と2020年9月5日を比較すると、仮想通貨・ブロックチェーン関連の求人件数は、CoinPostによると全体で118%増加しています。
これは、アメリカでの395%増加と比較すると非常に低い伸び率であり、技術者の不足が顕著であることを示しています。

遅れがもたらす社会的な影響

日本は消費者保護を非常に重視していますが、過度な規制が市場の透明性と活動を妨げる可能性もあります。
このため、国民が新技術を利用する機会が限られ、仮想通貨のメリット(例えば、低い取引コストや高速な国際送金)を十分に享受できない可能性があります。
そうすると、日本と世界の経済格差がどんどん広がる一方になることが予想されます。

遅れがもたらした社会的影響は大きな問題となるでしょう。
この遅れを巻き返すチャンスはあるのか、次で見ていきましょう。

遅れがもたらすチャンス

レギュラトリーサンドボックスの導入

レギュラトリーサンドボックスは、新しい技術やサービスを一定の条件のもとで市場に試験的に導入し、実際の市場環境での実験を可能にする制度です。
政府が仮想通貨とブロックチェーン技術のテストを行うための環境を整備することで、規制の枠内で安全にイノベーションを進めることができます。

英国の金融行動監視機構(FCA)によるレギュラトリーサンドボックスは、2016年から70以上のプロジェクトを成功させています。
これにより、新技術の試験導入が可能となり、市場の革新が促進されました。

日本でも同様の制度が導入されれば、仮想通貨市場の活性化が期待できます。

教育と啓発の推進

ブロックチェーンや仮想通貨に関する教育プログラムを拡充することで、これらの技術への理解を深め、より多くの人々が新しい金融技術を利用する準備が整います。
実際にシンガポール政府はブロックチェーン技術に関する国民教育プログラムを推進しており、2020年には10,000人以上の市民がこのプログラムを受講しました。
これにより、一般市民の技術理解が向上し、新しい金融技術の導入がスムーズに進んでいます。

ベンチャー企業の国際比較でみる日本の遅れ

日本のユニコーン企業の少なさは、国内のベンチャー企業の成長力の弱さを示す指標の一つです。
2021年時点で、アメリカには274社ものユニコーン企業が存在するのに対し、日本ではわずか4社にとどまっています。

出典:内閣官房|成長戦略会議

この差が生じる要因としては、資金調達環境の厳しさ、規制の多さ、そして新しいことを生み出す文化の未成熟などが挙げられます。
日本のベンチャーキャピタル市場は規模が小さく、リスクの高い投資に積極的な投資家が不足しています。

さらに、日本では大企業志向が根強く、新しいことに挑戦する文化が育ちにくいという課題も指摘されています。
こうした要因が複合的に作用し、ユニコーン企業が育ちにくい環境を生み出していると考えられます。

日本の大企業志向がもたらす弊害

日本の大企業志向は、安定を求める若者の増加や、終身雇用・年功序列制度の維持に繋がり、短期的な安定をもたらす一方で、長期的な経済成長の阻害要因となっています。
大企業志向は、ベンチャー企業への人材流出を招き、新しい技術やサービスの創出を妨げます。
実際に日本は、起業に必要なスキルを持ち合わせていないと自信がないことがわかっています。

出典:内閣官房|成長戦略会議

また、大企業内では、年功序列制度や組織の硬直性により、個人の能力や成果が正当に評価されないケースも少なくありません。
結果として、優秀な人材のモチベーション低下や、挑戦意欲の減退を招き、組織全体の活力を奪う可能性があります。

さらに、大企業は既存の事業や市場に依存する傾向が強く、リスクの高い新規事業への投資に消極的になりがちです。
これにより、イノベーションが生まれにくい環境となり、経済全体の成長を鈍化させる要因となります。

まとめ

本記事を通じて、日本の仮想通貨市場が直面している課題と遅れの原因を深掘りし、他国の先進事例を比較しながら日本での応用可能性を探りました。
日本は技術革新と金融の伝統が深く結びついており、これが新しい技術の採用には慎重な姿勢をもたらしています。

しかし、この慎重さが市場の成長とイノベーションの機会を制限しているのも事実です。
日本がこれらの課題(仮想通貨に関する規制や仮想通貨の広範な理解など)に積極的に対処することで、仮想通貨市場の新たな成長機会をつくれます。
すると、日本が世界の中心地として、ブロックチェーン技術の重要な拠点になる可能性があります。

まずは、この記事を読んでくれたあなたから、仮想通貨の理解を広めるための活動をしてみましょう。

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