世界最強のパスポートとは?日本と世界の違い

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パスポート保有日本と世界の違い
世界最強のパスポートとは?日本と世界の違い

各国のパスポートに強さランキングがあるのを知っていますか?
実は日本のパスポートは世界でも最強と位置づけられています。
この記事では、日本のパスポートが最強と言われる理由やパスポートに隠された機能や色の理由などを紹介していきます。
この記事を読むことで、パスポートについての知識を網羅的に深く知ることができます。

1. 日本のパスポートが最強と言われる理由

日本のパスポートは世界から見たら最強と言われています。
では、なぜ最強と言われているのでしょうか?

それは、

  • ビザ免除国の多さ
  • 信頼度と経済的安定性
  • 強力な外交関係

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ビザ免除国の多さ

最強と言われる1つ目の理由は、ビザなしで渡航できる国の多さです。
日本のパスポートは、ビザなしで渡航できる行き先が最も多いパスポートです。
それを集計しているのは、イギリスのコンサルティング会社(Henley&Partners)が毎年発表しているランキングに基づいています。
以下は令和5年のパスポート世界ランキングです。

パスポート順位渡航可能数
日本、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン1位194
オーストリア、フィンランド、アイルランド、ルクセンブルク2位193
ベルギー、デンマーク、イギリス3位192
ノルウェー、ポルトガル、スイス4位191
ギリシャ、マルタ、ニュージーランド5位190
参考:Henley&Partners|世界パスポートランキング

日本のパスポートは多くの国とビザ免除協定を結んでおり、世界の多くの国と地域にビザなしで渡航可能です。
これにより、ビザの手続きの手間やコストを省いて、比較的容易に海外旅行ができるため、非常に便利とされています。

信頼度と経済的安定性

日本は国際的に信頼度が高いため、ビザの免除など、日本人の国際的な移動の自由に直接的な影響を与える要因となっています。
具体的には、日本は長期にわたり政治的に安定している国とされている点です。内政が安定しており、国際的な紛争に巻き込まれることが少ないため、他国から高い信頼を得ています。

さらに、法の支配が確立されており、透明性が高い法体系が整っています。
これにより、ビジネス環境が保護され、外国企業や投資家からの信頼が厚いです。また、経済協力や開発援助(ODA)など、国際社会における積極的な貢献を行っています。これが日本のポジティブな国際イメージを支えています。

強力な外交関係

日本は世界で4番目に大きな経済力を持つ国として、その経済的な影響力を外交の場で積極的に活用しています。

特に開発途上国に対する経済援助や投資は、これらの国々との関係強化に大きく寄与しています。日本の政府開発援助(ODA)は、インフラ整備から教育や医療支援に至るまで多岐にわたり、受け入れ国の経済発展と社会進歩を支えています。

このような援助は日本にとっても戦略的な利益をもたらし、受け入れ国からの信頼獲得や地政学的な影響力を拡大する手段となっています。

参考:国際通貨基金(IMF)|GDP,current prices Billions of U.S. dollars

2. パスポート保有率の現状

パスポートの保有率について、「日本の保有率の統計」と「日本と世界各国のパスポート保有率の比較」を調べてみました。

世界各国との比較で驚くべき結果になりました。
それは、日本のパスポート保有率が著しく低いということです。

「詳しい保有率」と「なぜそういった現状なのか」は続きをご覧ください。

日本のパスポート保有率の統計

外務省の統計結果によると、令和5年末の現在の有効旅券(パスポート)総数は2,150万6,813冊です。
日本の人口の約1億2,500万人とすると約17%です。

前年から比較すると243,545冊減という結果になりました。
さらに、過去10年のパスポート保有率を見てみましょう。

年度有効旅券数人口割合
令和5年(2023)21,506,81317.20%
令和4年(2022)21,750,35817.34%
令和3年(2021)約24,400,00019.4%
令和2年(2020)約27,710,000約21.9%
令和元年(2019)約30,027,000約23.7%
平成30年(2018)約29,980,000約23.6%
平成29年(2017)約29,770,000約23.4%
平成28年(2016)約30,100,000約23.7%
平成27年(2015)約30,580,000約24.1%
平成26年(2014)約30,840,000約24.2%
参考(有効旅券数):外務省|旅券統計
参考(人口):総務省統計局|人口推計

人口割合は、各年度の推定人口に対する有効旅券の数を比較して算出しています。
この10年の期間にわたって有効旅券を保持している人口の割合がわずかに減少していることを示しています。

国名推定パスポート保有数(万人)推定パスポート保有率(%)情報源
シンガポール57096.6シンガポール統計局
ドイツ8,22080.2連邦統計局
スウェーデン1,01079.8統計庁
フィンランド53079.7統計局
オーストリア83078.3統計局
ベルギー1,13077.5統計局
デンマーク58076.9統計庁
アイスランド34076.8統計局
ノルウェー53076.6統計局
アイルランド49076.4統計中央局
カナダ3,64075.2統計局
イギリス5,08074.5国家統計局
アメリカ合衆国1.36億42パスポート局
日本2,15017外務省

国別パスポート保有数は、公式な統計データがありません。
推定パスポート保有数は、情報源や算出方法によって異なるため、あくまで参考値として抑えておきましょう。

グラフで見てみると日本の保有率が著しく低いことが一目でわかります。
ではなぜ、日本人はパスポートを持たないのか。

それは、地理的要因や言語の壁など様々な原因が考えられます。
しかし筆者の考えは、違います。パスポートを持たない大きな理由は「日本の魅力」にあると考えます。
国内に多くの観光地や温泉地があるため、海外に目を向ける必要性を感じないのでしょう。

そのため、日本人は国内旅行を好む傾向があり、パスポートの保有率が低いことに繋がります。

3. パスポートの利用実態

日本と世界の出国者数をまとめてみました。
単純に人数で勝負してしまうと、人口の多い国が有利になってしまうので、人口割合を算出しています。

まずは、日本の出国者数から見ていきましょう。

日本の出国者数の推移

パスポートを持っている方は実際どれだけ利用しているのでしょうか?
日本の出国者数をまとめてみました。

出典:株式会社JTB総合研究所|アウトバウンド 日本人海外旅行動向

コロナの影響で海外旅行者が急激に減少しています。
未だにコロナ前の水位まで回復していないことが分かります。

2022年時点では約227万人が出国しているため、パスポート保有者(2150万人)の約10%が利用しています。
日本の人口の約2%しか海外に出国していません。

出国者数は、出入国在留管理庁の統計結果を元に算出しています。
(参考:出入国在留管理庁|Immigration control statistical table

では世界の出国者(アウトバウンド)はどうでしょうか?

世界の出国者数の割合

コロナ流行前の2019年のデータによると、各国の出国者数は以下になっています。

順位国名旅行者数(万人)人口(百万人)旅行者の割合
1位中国15,4631,3981.1%
2位ドイツ10,85483.0213%
3位イギリス9,30966.6514%
4位アメリカ9,256328.22.8%
5位ロシア4,533144.53.1%
6位イタリア3,47060.365.8%
7位フランス3,04167.064.5%
8位ウクライナ2,88841.986.8%
9位韓国2,87151.645.6%
10位インド2,6921,3660.2%
14位日本2,008126.31.6%
参考:国土交通省|観光動向(図表Ⅰ-5)

旅行者数は中国が圧倒的に多いことがわかります。それに比べ日本は中国の7倍以上の差を付け14位という結果です。
しかし、グラフにすると興味深いことがわかりました。

旅行者数だけ見ると日本は非常に少ないように見えますが、人口割合で見ると中国は1.1%に対して日本は1.6%なので、中国より多いのです。
これは、日本の1人当たりのGDPは中国よりも高く、平均的な可処分所得も中国に比べて高いため、国民が海外旅行に費やせる金額がより多い可能性があります。

つまり、経済的余裕が旅行機会を増やす一因となっています。

一方で、ドイツやイギリスが圧倒的に高い割合になっている要因は、地理的利便性でしょう。
ドイツやイギリスはヨーロッパに位置しており、ヨーロッパ内での国境を越える旅行が比較的容易です。

シェンゲン協定により、多くのEU国間でパスポートなしの移動が可能であり、気軽に国際旅行を楽しむことができます。

4. パスポートの色に隠された理由

パスポートの色選びには各国の地政学的、地域的、政治的な理由が反映されることがあります。

一般的にパスポートの色は以下のように分類されます。

  • 赤色のパスポート
    赤は活力や重要性を象徴し、多くの国々で使用されています。特に欧州連合(EU)の国々では、一体感や統一感を表すために赤色が選ばれています。また、歴史的に共産主義を採用していた国々や、共産主義の影響を受けた国々でも赤色が用いられることがあります。
  • 青色のパスポート
    青は安定や信頼を象徴し、アメリカをはじめとする多くの国々で採用されています。特に新世界の国々やカリブ海共同体のメンバー国では、青色が多く見られます。青は国際的な旅行や国家のアイデンティティを象徴する色としても広く認識されています。
  • 緑色のパスポート
    緑は成長や自然を象徴し、イスラム教の国々で好まれる色です。ムハンマドの好んだ色であり、イスラム文化において緑は特別な意味を持つとされています。また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のメンバー国でも緑色のパスポートが採用されています。
  • 黒色のパスポート
    黒は格式高さや威厳を表す色で、ニュージーランドやいくつかのアフリカ諸国で採用されています。黒色は洗練された印象を与え、外交官など特定の公的な使命を帯びた人々に発行されることが多いです。

また、外務省では日本のパスポートのデザイン変更を検討しています。
万人受けするデザインを考えるのは骨が折れそうですが、持ちたくなるようなデザインだと嬉しいです。

5. 日本人の海外行き先ランキング

パスポート利用地域を表にまとめました。
日本人がどの地域に足を運んでいるのか一目でわかります。

順位地域一般旅券発行数公用旅券発行数合計発行数
1位北米46,2352546,260
2位アジア33,36121033,571
3位欧州25,7357525,810
4位大洋州14,7181914,737
5位中南米4,733324,765
6位中東1,054211,075
7位アフリカ41285497

アジアおよび北米での発行数が最も多いことがわかります。
これらの地域に大きな在外日本人コミュニティが存在することを反映している可能性があります。

6. パスポートの画期的な機能の紹介

パスポートには偽造を防ぐためやセキュリティーを強化するため、様々な機能が搭載されています。
その機能について詳しく解説していきます。

日本のパスポートの機能

出典:QuoraOnTrip JAL

日本のパスポートには大きく3つの機能があります。

  • ICチップの搭載
  • 複雑なデザイン
  • 特殊ホログラム

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ICチップの搭載

日本のパスポートに搭載されているICチップは、持ち主の個人情報をデジタル化して格納するためのものです。
このチップには、持ち主の顔写真や指紋データなどのバイオメトリック情報が含まれており、パスポートの真正性を確認しやすくすることで、セキュリティを大幅に向上させています。

また、ICチップは国際民間航空機関(ICAO)の基準に準拠しており、世界中のほとんどの国で読み取りが可能です。
ICチップの導入により、パスポートの偽造防止や不正使用を防ぐ効果があり、空港などでの入国審査が迅速かつ正確に行われるようになりました。

この技術は、国際的な旅行の安全性を高めるために非常に重要であり、他国でも同様のシステムが導入されている例が増えています。

複雑なデザイン

日本のパスポートに採用されている複雑なデザインと印刷技術は、高度な偽造防止機能を提供するために非常に重要です。
特に、パスポートのページには微細な模様がプリントされており、これらの模様は一般的な印刷技術では再現が困難です。

見開きページには、日本の自然や文化を象徴する細かく複雑なグラフィックが施されています。
これには、富士山や桜などのモチーフが含まれており、微細なディテールが特徴です。

特殊ホログラム

ホログラム技術も見開きページに採用されており、パスポートを動かすことで異なる画像やパターンが現れるようになっています。これにより、偽造がさらに困難になります。

特殊なインクや印刷技術を使用することで、光の当たる角度によって色や見え方が変わる効果があります。
これは、パスポートの真正性を確認する際に役立ちます。

世界のパスポートの機能

世界のパスポートには面白い機能がたくさんあります。
中でも独創性に富んだ国のパスポートを紹介します。

ノルウェーのパスポート

出典:https://www.gizmodo.jp/2016/09/re-norway-prettiest-passport.html

ノルウェーのパスポートにはUV光反応デザインが採用されており、これが非常にユニークな特徴です。

このデザインは、通常の光の下では普通のページとして見えますが、UV光の下に置くと、ノルウェーの風景が昼から夜の景色へと変化します。
特に、美しいオーロラ(北極光)が浮かび上がる効果があり、パスポートのセキュリティ要素としてだけでなく、視覚的な美しさも提供しています。

カナダのパスポート

出典:https://tile-park.com/blog/detail/5319

カナダのパスポートは世界で最も美しいとされる1つです。
これらのイラストは、カナダの国内景観や文化的シンボルを含んでおり、普通の光の下では見えないようになっています。

特に、紫外線を当てると、鮮やかな色彩でカナダの国旗や楓の葉、さらにはカナダの野生動物や歴史的建造物などが浮かび上がります。
このユニークな特徴は、国際的な旅行の際に確認作業を楽しくし、持ち主にとっても記憶に残るものとなっています。

フィンランドのパスポート

フィンランドのパスポートのフリップブックアニメーションは、特に独創的なセキュリティ機能の一例です。
このパスポートはページを素早くめくることで、ある特定の動物が動いているように見えるアニメーションが楽しめます。

具体的には、パスポートの各ページの下部に配置されたエルクが歩いているように描かれており、ページをめくるスピードに応じてエルクが歩くアニメーションが現れます。

7. まとめ:日本のパスポートの進化に期待

日本のパスポートを色々な視点で世界と比較してみました。
海外旅行に行くことがなければ、パスポートを持つことがありません。
今は、円安の影響で海外旅行へのコストも上がっています。

しかし、日本のパスポートが最強であることを知れば、旅行のアンテナも海外に向くことを期待します。
海外旅行の際には、友達や家族に本記事の知識を自慢してみてはいかがでしょうか。

パスポートの申請場所は、住民登録している都道府県によって異なります。詳しくは、外務省の申請先都道府県ホームページへのリンクをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_6.html

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